■ Sec.1 コピーガードの基礎知識

DVDソフトやデジタル放送に施された「コピーガード」とは何か?
→録画の妨げになる「コピーガード信号」を仕組から解除方法まで解説!
「コピーガード」の基本を知ろう
DVDをダビングしたら、映像が歪んだり、乱れたりして上手くダビングできなかった、という体験をしたことはありませんか?せっかくのハイビジョンの画質が乱れてしまうと、がっかりしてしまいます。映像を乱す原因は、ビデオやDVD、それに衛星放送や地上波デジタル放送などに含まれる「コピーガード信号」のためです。コピーガード信号とは、DVDソフトやデジタル放送を無断でコピーすることを防止するための信号です。録画側の機器がこの信号を拾うと、映像が異常な状態で記録されたり、そもそも録画できないなどの状態を引き起こします。特に厄介なのが後述にも出てくる「コピーワンス」です。デジタル放送に付加されていて、これもコピーに制限をかけるコピーガードの一種です。ここでは、さまざまなコピーガード信号の仕組みについて、詳しく解説していきます。
3種類のコピーガード信号
コピーガード信号は、主なもので3種類あります。それらを組み合わせて使われているのが普通です。
  1. 「マクロビジョン」最も一般的なコピーガード信号です。この信号を拾ってコピーすると、画面が暗くなったり、同期が合わずに画面が乱れたりします。
  2. マクロビジョンの一種で、「カラーバースト」と呼ばれるコピーガードです。コピーした映像に、横縞模様が入ってしまいます。
  3. 「CGMS-A」です。この信号を埋め込むと著作者の任意で「録画自由」「一度だけ録画可」「録画不可」のいずれかを選択できます。地上デジタルやBSデジタルなどのデジタル放送にもCGMS-A(コピーワンス)が使われています。
コピーガード信号の仕組み
さて、コピーガード信号の原理と特性について、さらに深く解説します。まず、コピーガード信号はテレビに直結して再生するには、ほとんど影響が出ません。ところが、録画すると映像が乱れてしまいます。これは、コピーガード信号が映像信号の中の画像のない部分に乗っているからです。
「帰線期間」に施された細工
テレビの画面は、525本の走査線によって描かれます。この走査線には映像を含まない「帰線期間」と呼ばれる期間があり、コピーガード信号は、ここに細工をしているのです。この「帰線期間」には、左から右に走査した後、右に戻るときの「水平帰線期間」と、画面を下まで走査し終わり、起点へと戻る「垂直帰線期間」があります。
明滅を繰り返す「マクロビジョン」
昔からあるタイプのコピーガード信号で、DVDソフトなどによく使われています。これは、信号の大きさにあわせて輝度を調整する、「輝度AGC(自動利得調整)回路」の機能を逆手に取ることで効果を発揮します。  マクロビジョン方式のコピーガードは、映像のない帰線期間に過大パルスが挿入されます。すると、輝度AGC回路が、その信号レベルを明るすぎると判断し、一定の輝度レベル内に収めるために輝度を下げて暗くしてしまうのです。この結果、コピーガード信号の乗ったコピーメディアを再生すると画面が暗くなってしまいます。多くの場合は過大パルスが入ったり消えたりするために、画面が明るくなったり暗くなったりと明滅を繰り返します。これでは視聴には耐えられないでしょう。  ちなみに、テレビ受像機には輝度AGC回路は付いていません。なので、レコーダーを介さずにマスターを再生する分には、過大パルスが入っていても影響を受けずに画面を映すことができるのです。
さて、ここまでコピーガードについてここまでお話してきましたが、ここでハイビジョンやデジタル放送について簡単に説明しておきましょう。
ハイビジョンってなに?
従来のVHSやアナログ地上波、DVDは640×480ドットというSD(スタンダード/標準)画質で、アスペクト比(画面比率)4:3が標準でした。対して地上やBSなどのデジタル放送やBlu-ray Discなど1920×1080ドットをハイビジョンといいます。アスペクト比も16:9となっています。画質の数字を見てもらっても分かるとおり、SD とハイビジョンでは6倍以上の違いがあり、高画質であることがはっきりわかります。 実のところ、ハイビジョンの定義は明確ではありませんが、一般的には水平解像度が650本以上ある、とされています。
アナログ放送とデジタル放送の違い
これまでのアナログ放送では、基本的に映像と音声しか流せませんでした。加えて、ハイビジョンの映像を放送することも無理です。それに比べ、デジタル放送はハイビジョン放送が可能(とはいえ、まだSD画質での放送も多いですが)です。ほかにも利点として、デジタル放送はゴーストが発生しない、音声は AAC5.1chサラウンド(アナログは2ch)、ステレオ2カ国語音声(アナログはモノラル)、生番組でも字幕の表示ができるといったことが可能です。デジタルチューナーが付いたDVDレコーダーなら、いわゆる「おっかけ再生」もできてメリットは多いです。
画像に入る横縞模様「カラーバースト」
カラーバーストというタイプのコピーガードもマクロビジョンの一種です。こちらは、水平同期信号のすぐあとにある8サイクルのカラーバースト信号(カラー再生のための同期信号)にも過大パルスが入ってきます。このため、色を正しく録画できなくなり、過大パルスが入っている部分に変色した横縞が入ってしまいます。通常のマクロビジョンと同じく、最近の機器では録画自体が止まります。テレビ受像機の場合は、微分回路を経由してからバースト信号を検出しているため、こちらもコピー再生時にのみ影響します。
映像信号に組み込まれた「CGMS-A」
映像信号にコピーの世代や、コピーの可否などの著作権管理情報を乗せるものです。CGMS-Aに対応した録画機器は、この信号を受け取ると、その情報の内容に沿って動作します。地上波・衛星のデジタル放送では「コピーワンス」という一度録画したら、以後はムーブのみでコピー(孫コピー)はできないという情報が組み込まれています。ムーブする場合も、対応したメディアとAV機器を利用しなければならず、その上ムーブしたDVDは一般的なプレーヤーでは再生できないことが多いです。 この方式のコピーガード信号が効果を発揮するためには、記録側の機器が信号に対応している必要があり、古いアナログビデオデッキなどでは機能しません。
「画像安定装置」を使ってキレイにコピーする!
では、コピーガード信号が含まれたDVD・番組のコピーは不可能なのかというと、そうではありません。 「画像安定装置」と呼ばれる機器を、再生側と録画側の間に挟み込むことで、コピーガード信号が入っているソフトも、きれいな画像でコピーできます。この画像安定装置は、映像の乱れ(ノイズ)を除去したり、補正する目的で作られましたが、副次的にコピーガード信号を除去することもできます。その原理は、走査線上のコピーガード信号を、画像安定装置内部で作った規格どおりのダミー信号と入れ替えるというものです。高性能な画像安定装置なら、消去すべき信号だけを選び出して、規格どおりの正しい信号にしてくれます。 使い方も難しくはありません。本体の入力端子と出力端子をそれぞれ機器につなげばOK。入力端子の方にコピー元となるチューナーやDVDプレーヤー、あるいはダビングしたい番組が保存してあるレコーダーをつなぎ、出力端子の方にレコーダーなどの録画機器を接続するのが基本です。
デジタル放送もDVDもコピー可!
現在、身の回りに存在している映像ソースの中で、コピーガード信号が邪魔になっているものといえば、まず デジタル放送でしょう。ダビングし放題だった地上波アナログ放送とは違い、地上波デジタル放送は「コピーワンス」による録画制限がかけられてしまいました。ビデオ信号の中に「1度だけ録画可能」という情報が埋め込まれているため、1度レコーダーに録画したデジタル放送の番組は、他のレコーダーやDVD- Rにダビングができません。番組を移動させる「ムーブ」は可能ですが、CRPMに対応した高価なDVDメディアしか使えません。ですが、画像安定装置があれば解除できてしまいます。 では、画像安定装置を使うとなにが可能になるのか、見ておきましょう。 通常、DVDソフトをコピーしようとすると、エラー表示が出て、コピーが強制終了されますが、画像安定装置を挟むと、問題なくコピーできます。さらに、スカパー!のPPVやアダルト番組に入っているコピーガード信号も除去できるので、録画し放題、コピーし放題になってしまうのです。
デジタルに対応したコピーガードとは?
DVDソフトや地デジの番組では、アナログのコピーガード信号のほか、デジタルのコピー制御技術が用いられています。例えば、DVDソフトでは、「CSS」などのデジタル技術で暗号化されたうえで、コピーガード信号が入れられています。ただし、CCSが効果を発揮するのは、パソコンでDVDを丸ごとバックアップするなどのフルデジタルでのコピーの場合に限られ、アナログに変換して録画する場合には影響しません。